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2004年 12月 15日
本屋に寄って、なんとなく気分がすぐれなくて、思い出した、こういうときはたぶん梶井なのだ。梶井と聞くと薄暗いイメージを連想する人がいるかもしれない。たしかに代表的な作品のほとんどは主人公の陰鬱な気分を書いているから、それはほんとうなのだが、しかし梶井の暗さはさっぱりしていて、もたれない。
それに梶井は愉快な作品もちゃんと書いている。ちくま文庫の全集に収録されている作品の中では、まず遺稿の「交尾」(512-514)が笑うしかない作品。また同じく遺稿の「猫」(499-501)も、猫に名前をつけるというだけの話なのだが、その名づけかたがとてもおもしろい。どちらも途中で終わってしまっていることが残念でならない。そういえば代表作のひとつ「城のある町にて」にも、「ちがいますともわらびます」という、子供のするかわいらしい言い間違いのエピソードが出てくる。 愉快な面を紹介しておいて言うのもヘンだが、しかし今の気持ちにはやはり暗いほうの梶井がふさわしいと思う。いやそれよりも本読む暇があったら論文なおそう。 ところで、寄ったといったその本屋で、中丸美絵『嬉遊曲、鳴りやまず』(新潮文庫)を買ってみた。斎藤秀雄という指揮者の評伝。斎藤秀雄は斎藤秀三郎の息子。斎藤秀三郎は「熟語本位英和中辞典」(岩波書店)をひとりでつくった偉大な英語学者。その斎藤秀三郎をあがめるのが柳瀬尚紀氏。柳瀬氏は斎藤の辞書の方法にのっとって、「新潮英和辞典」(仮)または「猫舌英和」(?)をしばらく前から執筆中のはずだが、いまどうなっているのだろう。
by wayakutaro
| 2004-12-15 00:57
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