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2006年 01月 01日
昨日の夜から柳沼重剛(やぎぬましげたけ)さんのエッセイ集『西洋古典こぼればなし』(岩波同時代ライブラリー)を読んでいる。著者は1926年の生まれ。プルタルコス『饒舌について』『愛をめぐる対話』(どちらも岩波文庫)などの翻訳がある。95年に出版されたこの本は、タイトルも装丁もそっけないが、取り上げている話題が興味深く、たとえば『クマのプーさん』のラテン語訳が出てきたり、田中美知太郎さんの文体について書いてあったり、また、文学研究とはいったい何なのか、という難しい問題を論じたりしている。しかもこういった話題がとてもいい日本語で書かれていて、これは田中美知太郎一派いまだ健在ということなのかもしれないし、あるいはまた、もともと語学にすぐれた人が長年にわたって研究や著述活動を続けると、こういう文章が生まれてくるということを示しているのかもしれない。抜き書きしておきたいところはたくさんあるが、その文章に関係して、以下の一節はとりわけ心強いものだった。
人は明晰な文章というと短い文だと思いなしがちだが、明晰ということと文の長短は直接には関係がなく、文の明晰さを保証するのは考えの明晰さ[である](129)。短文信仰のやかましい時勢に屈することなく今年も長文による抵抗を試みようと思わず新年の決意をする。 さてご挨拶が最後になりましたが、あけましておめでとうございます。以上のような調子で今年もやっていきます。よろしくお願い申しあげます。
by wayakutaro
| 2006-01-01 22:59
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